京阪電鉄不動産のグッドデザイン賞受賞物件

2017年度

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ローズプレイス瀬田唐橋
[滋賀県大津市/戸建て分譲住宅]

概要

戸建分譲住宅に住む38家族が共有する共用庭「そらにわ」において、「そらにわ運営組合」を組織し取り組むコミュニティづくり。周辺はびわ湖が育んだ豊かな自然と歴史にあふれたエリアである。恵まれた環境の中、日常における「そらにわ」での体験や維持管理活動、「そらにわ」と「エンコ(自噴井戸)」を活用した既存コミュニティとの交流を通じ、水と緑や生き物と慣れ親しみ自然を大切にする気持ちと住民同士や地域とのコミュニケーションを育むことをめざし、2016年活動をスタートさせた。当初は6家族でスタート。2017年9月末時点で22家族が組合員となり活動に参加している。

背景
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環境が社会問題となる中、住宅設備の省エネ化だけでなくもっと自然とふれあい身近に感じたいという声や、個人と地域の繋がりが薄れつつある中、安心安全に暮らせるだろうかという声は、住宅購入者のニーズとして大きくなっており、特に住宅購入層の中心となる子育て世代にとっては、豊かな自然の中で安心安全に子育てしたいという思いは切実なものとなっている。 周辺エリアは、近江八景のひとつ瀬田唐橋や瀬田川、製鉄遺構の点在する瀬田丘陵、緑豊かな東山連峰など、びわ湖が育んだ自然と歴史にあふれており、今回、その恵まれた環境の下、庭を共有することでボリュームのある良質な緑地を住宅地の中心に確保し、自然とのふれあいを身近なものにした。またそれを共同で管理・活用をすることで、住民同士や地域の人々との交流が生れている。対人関係が希薄な昨今の戸建住宅開発において、庭を共有することで生まれた新しいコミュニティづくりの手法である。
ザ・京都レジデンス御所東 上空から
ザ・京都レジデンス御所東 ラウンジ
評価の
ポイント
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ソフトのデザインだけではなく、共用庭の存在が住宅のデザインに対して物理的な影響を与えている点が評価された。たとえば、共用庭があることで住宅の「二面性」を意識したプランニングになっている。共用庭と連続するかたちで各戸の外部空間がデザインされ、その結果として緩やかな境界要素を介しながら住宅の内部と共用庭が接続されている。共用部をつくることで専有部である住宅のあり方自体まで問い直そうというデザインの姿勢は、イベント的な要素でもって近隣との関係をつくろうとする昨今の住宅供給とは一線を画するものであり、地域社会における生活という本質的な問いを発している。
物件
コンセプト

真ん中に庭を抱く(ハグする)ことで、コミュニティを育む(ハグくむ)新しい街づくり。

共用緑地を骨格とした計画は、人と自然が共にある暮らしが本来備えていた豊かさを蘇らせるものでした。一つは、購入者が共有し地域の人々も利用できる公共性をもつことから、みんなに価値ある空間が住民と住民、人々と地域を繋ぐことのできる可能性です。次に、単なる散歩できる緑地ではなく木々が実り色づく恵みの森とすることで、みんなの喜びが生まれ生物との付合いが始まるとともに、世話をする意志と技を身につけた地球人を育むことのできる可能性です。

ローズプレイス瀬田唐橋
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