京阪電鉄不動産のグッドデザイン賞受賞物件

2020年度

紡 ~Machiya Inn~
紡 ~Machiya Inn~外装
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紡 ~Machiya Inn~
[京都市内/京町家宿泊施設]

概要

宿泊施設として町家再生事業を行うにあたり、仕入・設計・施工・運営管理を 一貫して行い、地域コミュニティ拠点として施設外玄関帳場を活用する取り組みで、 近隣住民との良好な関係を築き、円滑な運営管理体制を整えた。また、融資が受け にくい町家再生の資金調達スキームとして、新たな投資モデルを導入する等、 歴史的景観保全に努めている。

背景
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歴史ある京町家は所有者の高齢化・相続問題・独特な間取り・耐震性等の諸問題により、 現代のライフスタイルの変化に合わせて住まい、維持管理していくことが困難となっている。更に、経年劣化した町家は金融機関の評価も低く、 改修費用の融資を受け難い為、空家として放置されることが多い。その結果、景観資産である町並みが急速に消失し続けており、その保存は深刻な課題である。 また、この問題は町家再生技術を活かす需要の減少を招き、人財の枯渇が進み、再利用可能な古材・建具等が無残に廃棄される負の連鎖を生じている。 昨今のインバウンドによる宿泊需要の高まりから町家を宿泊施設として再生した事例も多数あるが、不特定多数のゲストが来る宿泊施設に対し、 地域住民が良い印象を抱いていないことが多い。また施工会社と運営会社が異なるケースがほとんどで、運営会社が地域住民と温和な関係を築けるよう、 地域コミュニティとの共存も課題である。
紡 ~Machiya Inn~外装
紡 ~Machiya Inn~内装
紡 ~Machiya Inn~外装
紡 ~Machiya Inn~内装
評価の
ポイント
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歴史ある京都の街並みにたたずむ、風情ある町家の再生と維持管理に必要なのは技術やコストだけではない。市内で51棟の町家の仕入・設計・施工・運営管理を一貫して行いつつ、24時間体制の施設外玄関帳場を設けることで、地域住民とのコミュニケーションを図る。新旧を融合させる持続可能な地域コミュニティの構築例として、歴史的な街並みを有する他のエリアにも参考になるサービススキームのデザインである。
物件
コンセプト

人を結び 街を紡ぐ

  • 1.仕入・設計・施工・運営管理を一貫して行い、町家再生技術継承と投資家・ゲスト・地域を繋ぐ役割を担う。
  • 2.町家再生事業への新たな資金調達スキームとして、クラウドファンディングや不動産特定共同事業法の活用。
  • 3.市内12か所に施設外玄関帳場を設け、飲食施設やオフィス等を併設し、地域コミュニティ拠点として活用。
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紡 ~Machiya Inn~全体
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